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「ふたば系ゆっくりいじめ 680 われときて/コメントログ」 潰したまんじゅうの中に希少種でもいたのかな? -- 2010-08-12 19 50 26 こういう話すごく好きだ。 -- 2010-08-23 17 10 55 ゆっくり如きに生態系の一端を担うことが出来るとは… 無造作且つ無制限に喰い散らかすのでなければ、人間にとっても有益なナマモノなのかもな -- 2010-09-01 11 21 59 まあゆっくりにわざわざ頼らなくても農薬まいとけばほぼ解決するかもしれんけどね -- 2010-09-05 10 43 24 希少種が関係ないことは確定的に明らか。何故そうまで希少種を良いものにしたがる? -- 2010-09-12 02 18 20 ゆっくりに頼って害虫対策してこなかった結果がこれだよ! -- 2010-10-24 21 55 07 原初のゆっくりっぽいし、言葉が通じないんだな…。通じれば説得という手段もあったんだが…。 しかし迷惑を迷惑と理解せず追っ払われても遊びと勘違いして面白がるだけで野菜泥棒を続けるって…かなりたちわるいな。ゲスとはまた違ったイライラがつのる。 こっちが真剣に追っ払ってるのに、逃げ回ってる時も楽しげにニヤついてるゆっくり共を想像すると、やっぱり殺したくなる。 -- 2011-03-07 12 44 51 ふてぶてしいゆっくりもいいけど、無垢?な原初ゆっくりの虐待もいいね! -- 2011-06-13 05 46 13 ちなみに駆除を訴えた男の名は毛沢うわなにをするやめ(ry -- 2011-11-26 11 54 06
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登録タグ グロ ジョーク・ネタ ゾンビ ニコニコ動画 フォビック ホラー 危険度3 映画 殺人 言葉の核兵器 「ホラー映画 殺人特集 わんぱく大特集!」というニコニコ動画に投稿されている動画がヒットする。 タイトルの通り様々なホラー映画の殺人シーンがまとめられているためグロ注意。 + 動画に使用されている映画 悪魔のいけにえ 悪魔のシスター インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア エクソシスト エルム街の悪夢 エルム街の悪夢3/惨劇の館 エルム街の悪夢 ザ・リアルナイトメア 狼男アメリカン オペラ座 血の喝采 オーメン キャリー キャンディマン クリープショー サスペリア ザ・セル ザ・リング シックス・センス シャイニング 死霊のはらわた スリーピー・ホロウ ゾンビ チャイルド・プレイ ドラキュラ ナイト・オブ・ザ・リビングデッド バイオハザード ハロウィン ファイナル・デスティネーション ファンタズム ブレインデッド フレディVSジェイソン ヘル・レイザー 遊星からの物体X ロストボーイ IT 13ゴースト 28日後… 分類:グロ、ホラー、フォビック、ジョーク・ネタ 危険度:3 コメント 記事作成ありがとうございます。動画に使用されている映画のタイトルをまとめておきましたが抜けているものがありましたら追記修正お願いします。 -- サイコパス (2019-09-07 13 33 44) 有名なタイトルが揃い踏みですね……。 -- 僕の葵(おひさしぶりです) (2019-09-09 17 41 51) この動画を投稿した人も凄いけど、映画のタイトルをまとめた人も凄いよwww -- れいやん (2019-09-10 00 16 40) この動画兄がみてたわww -- 名無しさん (2020-02-14 22 37 57) フレディとジェイソンの扱い・・・。 -- kzk (2020-08-07 00 53 15) これはわんぱくとは言わない。虐殺大特集じゃね? -- 名無し (2020-08-07 06 02 59) (無関係なコメントを削除) わー凄いですねー -- 弥生さん (2020-10-17 00 14 29) わんぱくというより、捥破苦だな -- カナエ (2020-10-17 00 20 35) (個人を中傷するコメントを削除しました。) わんぱくとは? -- ショボーン (2020-11-09 15 49 29) 言葉の核兵器でもおかしくない -- 名無し (2020-11-09 17 16 37) フェノミナが無かった…ペットセメタリーも無かった -- 花林 (2021-01-11 22 10 02) グロいグロいグロい。真夜中に見てしまった -- 未だ工事 (2021-04-11 01 00 16) 取り敢えずダリオ・アルジェントが好きなことはわかった -- 名無しさん (2021-04-14 01 29 28) 全然わんぱくじゃねー -- 名無しキング (2021-05-28 19 04 50) 最後にちょっとしたビックリ要素があるので注意。 -- ゲーム太郎 (2022-01-17 17 57 39) わ ん ぱ く と -- 猿 (2022-03-13 21 01 41) ↑ミスった わ ん ぱ く と は -- 猿 (2022-03-13 21 02 06) (このコメントは削除されました) バイオはほぼ、バトルアクションでしょ?Ⅴ迄しか見てないけど💧 -- アユラ (2022-12-14 15 19 17) 4だろ -- 名無しさん (2023-01-10 21 02 06) 何がわんぱくだよ! -- 名無しさん (2023-01-10 21 09 47) 名前 コメント
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fuku2050の続きを勝手に書いてみた。 東方キャラが出ますが、性格が改変されてるかもしれませんのでご注意を。 なお、fuku2050の作者様から何かしらの警告などがあった場合削除します。 「まりさぁ……どうじでえ……」 ゆっくりれいむは、雪の降るなか凍死した。 最後まで自分の何が悪かったのか自覚しないまま眠った。 それどころか、すべてはこんなかわいい自分を追い出したまりさが悪いと思い、 そして食べ物を持ってこなかったお兄さんが悪いと思った。 罪を理解しない。罪を罪と思おうとはしない。 それは何物にも勝る、もっとも大きな悪行である。 甘やかされて育ったれいむには、もし生きていたとしても一生わからないことであろうが。 そもそもゆっくりには理解できまいが。 「ゆっくり起きたよ、ゆゆっ!?」 れいむが目を開けると、そこは見たこともない場所だった。 自分が今までいたのは、一面銀世界の、極寒の場所だった。 しかしここは一面に赤い花が広がっており、寒さも感じない。 そして、起きるまでとの状況の変化に気付いた。体が重く、おなかも減っていて力も出なかったのに、 今は体がすいすいと動かすことが出来る。 「ゆっくり~♪ ここはきょうかられいむのゆっくりプレイスにするよ!」 幸せいっぱいに、昨日自分に何が起こったのかも忘れ、れいむは飛び跳ねる。 「あー、またゆっくりかぁ」 「ゆゆっ?」 そこへ肩に大きな鎌を担いだ、胸の大きな女性が近づいてきた。 しかしれいむは 「おねえさんかわいいれいむにたべものをもってきてね!!」 見ず知らずの人物にこれだ。 女性、死神・小野塚小町はゆっくりの言うことにはもはや馴れてるのか、ため息をつく。 「ゆっくりが言うことは全然変わらないねえ……」 「ゆ! ごちゃごちゃいってないでれいむにtブギャ!」 小町は無言でれいむを蹴り、舟に乗せる。 ゆっくりが幻想郷に現れてから、ゆっくりの魂が冥界に来なかった日など一日たりともない。 「ゆっくりは代金も払わないしふてぶてしいのばっかだし、いっそ絶滅してくれないかねえ…」 物騒なこともぶつぶつと言いながらも舟を出す。 れいむは舟を出している間も「たべものをもってきてね!」だの「きこえないの?ばかなの?」だの罵倒していたが、 小町はゆっくりの戯言などもはや馴れてしまっており、右から左へ聞き流している。 「全く四季様はさ、ゆっくりにいらつくのはわかるけどあたいに説教するのはお門違いだと思うんだよね」 「そういえば博麗の巫女がゆっくりを饅頭製造に使い出したそうでさ、ゆっくりの魂が無駄に増えるから困るんだよねえ」 そして仕事の愚痴をゆっくりの声をさえぎるかのごとく、長々と話していた。 ようやく舟が対岸に着いた。 「ほら、ついたぞ。あそこはお前がゆっくり出来るかもしれない場所だよ」 「ゆっ! ゆっくりできるの!?」 れいむはその言葉に反応する。 やはりお姉さんはかわいいれいむをゆっくりさせてくれるんだ。 あのお兄さんとは違う、あんな食べ物もロクに持ってこないグズなお兄さんとは違うんだ。 このお姉さんなられいむをかわいがってくれる!! 未だ状況がわかっていないれいむ。自分が死んだことも忘れているのだ。 「ほら、あのお屋敷の中に入りな。あそこの連中ならゆっくりさせてくれるかもよ」 「ゆ~♪」 れいむは飛び跳ねながら、屋敷に向かっていった。 「ま、あんたがゆっくりできるかどうかは四季さまとあんた次第なんだけどね」 屋敷の門に辿り着き、門をくぐり抜けると、れいむの目の前に大きな扉が立ちはだかる。 きっと奥にゆっくり出来る場所があるんだと期待に胸を膨らませながら、扉の中に入る。 しかし扉の中は何の面白みもない、無機質で広い部屋だった。 正面には5mほど台があり、その上の机には、 立派な装飾の施された帽子を被った緑髪の女性が座っていた。 彼女は四季映姫・ヤマザナドゥ。幻想郷を担当している閻魔である。 「ゆっくりれいむ」 前置きもなく、映姫はれいむの名を呼んだ。 「ゆっ? おねえさんだれ? かわいいれいむにたべものをもってきてね!」 小町のときと同じことを言っていることから、ボキャブラリーの貧困さが伺える。 それを意に介さず、映姫は続ける。 そう、これは死後の裁判。 「ゆっくりれいむ…あなたに判決を下します。 あなたはこれから地獄に落ち、1000回死んで魂をきれいにしたあと、ゆっくりに転生します。」 前置きもなく判決を下す。 れいむは何を言われたのかわからないが、さらに映姫は続ける。 「あなたはお兄さんの愛を理解しなかったばかりか、それをないがしろにし、あまつさえ当然と思い込みました。 それ自体はいいです。しかし追い出されたのち、何も罪のないゆっくりまりさを自覚がなかったからとはいえ騙し、食料を奪いました。 ですが、あなたのもっとも大きな罪はそれらではありません。」 一呼吸置いた後、続ける。 「あなたの罪は、自分が悪いことをしたという自覚を一切持たなかったことです。 まりさによって追い出され、死の危険の淵に立っても、あなたはまりさが悪いと思い、お兄さんが悪いと思った。 それこそがもっとも大きな罪なのです」 「ながいよ!! おねえさんとはゆっくりできないよ、はやくれいむのいえからでていってね!!」 れいむはその話を聞かないばかりか、頬を膨らませ威嚇のポーズで自分の家宣言をする。 映姫はそれを一切意に介さず、槌を叩く。 その瞬間、れいむの足元に穴が出現し、 「ゆうーーーーーーーっ!!」 文字通り、れいむは地獄に落ちていった。 「言ったでしょう、自分の罪を自覚しないことこそが、もっとも大きな罪だと……」 れいむにはその言葉は届かなかった。 地獄。 「ゆぶぅ!!」 れいむは漸く着地するが、ゆっくりする暇もなかった。 「おおう、またゆっくりか」 この地獄の鬼はゆっくりの扱いには長けており、早速仕置きを開始する。 まず声がうるさいので、舌を切り取る。 「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」 声にもならない声を出すれいむ。 「これだけではまだうるさいからのう」 そういった鬼はさらに火箸で口を癒着させる、これでもう声が出ることはあるまい。 今度は血の池地獄をゆっくり用に改造した、ゆっくり餡子地獄にれいむを放り込む。 しかも簡単には死なせないよう、死なない程度スレスレの温度にしている。 鬼は逃げ出さないよう、れいむが出ようとするたびに棒で押し返す。 なぜ、どうして自分はこういう目に遭うのだ。れいむは未だ状況がわからず、混乱していた。 少なくとも今自分がゆっくり出来ていないのは確かだ。 ふと、周りを見回す。 そこにはほかのゆっくりが、自分と同じように餡子地獄にいれられていた。 それだけではない。 口を癒着させられていないゆっくりがいたが、状況はもっとひどかった。 そのゆっくりまりさは、針の山地獄に乗せられたどころか、徐々に重りを加えられていた。 「ゆぎぃいいいいいいいいいいいいいい!! ささるうううーーーーーーーーーーーー!!!」 絶妙な加減さからか、まりさにはまだ針が刺さっていない。 しかし重りのせいで動けず、なくとも見張りの鬼達に戻されてしまう。まりさは何度も逃げようとしたがすぐに捕まっていた。 「どうじで!? なんでばりざがごんなめにいいいいいいいいいい!!!」 まりさの叫びに答えるものはいない。ここは地獄なのだから。 れいむはここがゆっくり出来ない場所だということはわかった。 けど自分はあのまりさとは違う、だっていつも自分の食事を用意するお兄さんがいるんだから。 お兄さんが助けてくれる、そうに違いない!! しばらくして、れいむは漸く一回死んだ。 しかしすぐに生き返る。今度は口も元に戻って。 それを確認した後、鬼はすぐに次の責めに移った。 今度は岩戸の中に閉じ込められたれいむ。 「ゆ!かわいいれいむをはやくだしてね!れいむにはおにいさんがいるんだからね!!」 騒ぐも、お兄さんが来るわけもない。第一、現世の人間が鬼に勝てるわけもないのだ。 その程度のことも知らないれいむは、意味もないのに騒ぎ続ける。 ここが何なのだろうと、れいむが思った瞬間。 「ゆ?」 四方八方から熱が襲ってきた。 「ゆぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」 れいむは理解できなかったが、ここはゆっくり専用の焼却炉。 簡易灼熱地獄といってもいい。ゆっくりを閉じ込め、焼き尽くすためのものだ。 「だじでええええええええええええええ!!でいぶをだじでよおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!! おにいざああああああああああああああああああああああああん!!!!!!!!!!!!!」 なりふり構わず、今まで都合のいい召使と思っていたお兄さんにも助けを求める。 だがその声に答えるものはいない。 その後、れいむは散々と地獄を味わった。 寒いなか放置され、しかし死の一歩手前で回収され、また放置され、というループも味わった。 れみりゃの群れ(地獄用に教育された胴無しの霊たち)の中に放置され、じわじわとなぶられ、しかし簡単には死なせられなかった。 きめぇ丸の集団の前に固定され、あの不快な振動をずっと見続けることもあった。 そしてやっと1000回死んだ。 けど全然反省しなかったので、魂が綺麗になっていないと判断され、さらに1000回同じことを繰り返された。 やっと死ねたれいむは。しかし手違いで記憶が残ったまま転生させられた。 そして奇形ゆっくりとして生まれ、喋ることもできないまま苦しんで生きることとなった。 あとがき 書いた理由はあんなクズが反省もせず凍死で死んだなんて許せない!という下らない理由です 地獄でせいぜい苦しめ!! 後半尻すぼみですいません… 書いた人・JUMくん 美れいむの続きが思いつかんから書いた…正直スマンかった このSSに感想を付ける
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メニュー こんにちはww ぇっと・・・名前は ぃっぱいぁりますww(は 時雨・癒恵・莢・桜癒・氷稀・黎彗・玖遼・碧 ほかにも色々(ぇ じゃぁ HPの方でよろしくお願いしますw
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「ゆ゛っぐり゛じだい゛よ゛お゛ぉ゛ぉ゛!!ゆ゛っぐり゛ざぜでえ゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!」 山菜取りから帰る途中、茂みからそんな声が聞こえてきた。 何事かと思い覗き込むと、そこには罠にかかって動けなくなっているゆっくりがいた。 大方ハンターが仕掛けた物だろう。ゆっくりは高く売れるからな。 犬猫ならともかく、ゆっくりなんぞ助けても仕方が無いのでそのまま行こうとする。すると 「お゛に゛い゛ざん゛!!だずげでぐださい゛い゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!」 お兄さんじゃあ、しょうがないな。 小さな頃から老け顔で、十五にして父親からも『親父』と呼ばれていた俺の憧れの呼ばれ方ベスト5だし。 「そら、もうかかるんじゃないぞ…って無理だよな。ゆっくりブレインだし」 「ゆっくりできる!ゆっくりできるよ!おにいさんありがとう!!!」 「はいはい。じゃあな饅頭」 「まんじゅうじゃないよ!れいむだよ!ゆっくりおぼえてね!!」 「へーへー」 あまりこんな所を人に見られたくはないので早足でその場から離れる。 ゆっくりはまだ何か叫んでいたが、どうでもいい。どうせいつものあれだろう。 家に着いて早速至高の山菜料理を作っていると、戸を叩く音が聞こえた。誰だろう。 「はいはい今開けますよー」 「「ゆっくりしていってね!!!」」 なんと客はゆっくりだった。それも二匹。 「何だお前ら、一体何の用だ」 「ゆっくりさせていってね!!ゆっくりさせていってね!!」 「何言ってやがる帰れ帰れ。うちにはお前らみたいな饅頭に食わすタンメンはねえぞ」 「まんじゅうじゃないよ!れいむだよ!ゆっくりおぼえていってね!!」 「あん?何だそりゃ。ひょっとしてお前さっき会ったゆっくりか?」 「そうだよおにいさん!ゆっくりさせていってね!!」 「じゃあそっちの黒いのは何だ」 「れいむのおともだちだよ!まりさっていうんだよ!!」 「よろしくねおにいさん!まりさもゆっくりさせていってね!!」 一体どういうつもりだろう。まさか親切なカモがいるからと、仲間共々たかりに来たのだろうか。 「ちょっと親切にした位で調子に乗るんじゃねえぞ饅頭。お前らなんかにゃ水一滴だってやらん!」 「いらないよ!ごはんいらないよ!だからゆっくりさせていってね!!」 「おねがいします!ゆっくりさせていって!!」 なんと飯はいらんときた。一体何事だ?油断させてつけこもうなんて知恵がある訳も無いし…… ま、いらんと言うなら別に上げてやっても構わんか? 今晩居座るなら明日加工所に売りに行けばいいんだし。 「ああ分かったよ。大人しくするなら入れてやる」 「ゆっくりするよ!ありがとうおにいさん!!」 「ありがとう!!」 ぴょんぴょん飛び跳ねながら家の中に上がりこむ。何を嬉しそうにしてるんだこいつらは。 「お前らはその隅っこで大人しくしてろ。何も食わせてはやらんし、暴れたりしたら食うからな」 「わかったよ!ゆっくりじっとしてるね!!」 「ゆっくりたべないでね!!」 「ああそうしてろ」 何とも妙な話だ。ひょっとして狐にでも騙されているのか? 首を傾げつつ料理を作り、一人で食う。その間物欲しそうにこちらを見ていたが、当然分けてなどやらん。 「おいお前ら涎を垂らすな汚らしい。踏み潰すぞ」 「ゆ!ごめんなさい!!ゆっくりふいておくね!!」 「ゆっくりふまないでね!!」 益々おかしい。本当にこいつらゆっくりなのか…まあどうでもいいか。 その後風呂に入ったり布団を敷いたりしている間も奴らは大人しかった。不気味だ。 「お前ら帰らんでいいのか?俺はもう寝るが」 「ゆっくりとまっていくよ!ゆっくりねていってね!!」 「ゆっくりおやすみ!!」 「ああおやすみ。寝てる間に暴れたり盗み食いなんかしたら八つ裂きにするからな」 そう言ってさっさと寝る。まあ、仮に寝てる間に盗み食いなんかされても所詮二匹だけだ。 二匹とも売れば十分プラスになるだろう。 翌朝。妙な騒がしさで目が覚めると同時に、昨夜の考えは間違っていたと思い知らされた。 こ、こいつらまさかこんな方法で俺に嫌がらせをしやがるとは……!ゆっくりって奴は悪知恵は働くんだな畜生!! 「あ、おにいさんがおきたよ!!ゆっくりおはよう!!」 「ゆっくりおきてね!!」 「「「「「「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」」」」」」 どうやらあの二匹、俺が寝ている間に交尾しやがったらしい。ミニマムサイズのちびゆっくりが十匹もいる。 当然家の中は荒れ放題、食い物はほぼ全て食い尽くされている。 「お前ら、荒らすなって言ったよな?そこまで八つ裂きにされたいのか。そうかそうか」 「れいむとまりさのあかちゃんだよ!!ゆっくりかわいがってね!!!」 「ゆっくりかわいいでしょう!!!」 「んな訳あるかこの糞饅頭が!!てめえら一匹たりとも生かして返さんぞ覚悟しろ!!!」 怒鳴った瞬間、それまでの喧騒が嘘のように静かになった。 親ゆっくりれいむが、涙目になってこちらを見ている。 「ひどい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!ぜっがぐお゛ん゛がえ゛じじであ゛げだの゛に゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!」 「あやまってね!!ゆっくりあやまってね!!」 「「「「「「「「「「ゆっくりあやまってね!!!」」」」」」」」」」 「恩返し、だぁ?一体どういう事だ。説明しろ糞饅頭」 どうにかこうにか聞き出した所によると、罠から助けてくれた俺に恩返しがしたかったらしい。 だが恩返しの方法なんて分からない。 そこで友人のゆっくりまりさに相談したら、可愛い赤ちゃんを見せてあげれば喜ぶに違いないという結論に達したとの事。 ゆっくりに恩なんて概念があった事に驚きだ。加工所の人に話してもきっと信じないだろうな。 「そうか。事情は分かった」 そう、悪気は無い事は分かった。だが、それだけだ。 悪気があろうが無かろうが起きた現実には何の違いも無い。俺は家中をメチャメチャに荒らされ、食い物を全て奪われた。 その代償はきっちりと払ってもらわなければならない。というか、恩返しなのに恩着せがましい物言いをするのが気に食わん。 「じゃあお前らとゆっくり遊んでやる。そうだな、かくれんぼをしようじゃないか。鬼は俺だ」 「ほんとう!?ほんとうにあそんでくれるの!!!」 「おにいさんありがとう!!ゆっくりかくれてるね!!」 「「「「「「「「「「わー!ゆっくりかくれようね!!!」」」」」」」」」」 「おっと。お前は俺と一緒に探すんだよ」 「ゆっ!だっこだ!だっこきもちいい!!!」 親ゆっくりれいむを抱きかかえて座る。こいつにはせいぜい楽しませてもらわんとな。 しばらく待ってもういいかーい。あちこちからもういいよー、と聞こえたのでゆっくりれいむを抱えたまま捜索開始。 「……ゆっくりまりさ、見つけた」 信じられん、あれで隠れているつもりか。頭隠して尻隠さずとは言うが、こいつは顔しか隠れていない。 「みつかっちゃった!!おにいさんすごい!!」 「れいむはわからなかったよ!!おにいさんすごい!!!」 これがゆっくりブレインか……よく生きていられるな。 「じゃあ見つかったまりさも俺がだっこしていてやろう」 「ゆっくりだっこしてね!!!」 「おそろい!おそろい!!」 片腕で何とか抱えて残りのちびゆっくりを探す。 奴らは体が小さい分難易度が高いが、所詮はゆっくり。簡単に次のを見つけた。 「ちびゆっくりれいむ、見ぃつけた」 そう言ってゴミ箱に隠れていたちびゆっくりを空いた手で掴む。 「ゆっくりみつかっちゃった!!!」 「おにいさんほんとうにすごいね!!!」 「ゆっくりかくれんぼのめいじんだね!!!」 「それじゃ、見つかったちびゆっくりちゃんは罰ゲームだ」 「ゆ?」 ちびゆっくりを口の中に放り込む。途端、ゆっくりれいむが物凄い形相で叫ぶ。 「なにするの!!おじさんやめて!!ゆっくりはなしてあげて!!」 おじさん、だと…?一瞬このまま殺してやろうとも思ったが、思いとどまって口の中を見せる。 「ゆっくりあったかいよ!」 「何勘違いしてやがるんだお前は」 「ゆっくりまちがえちゃったよ!!」 口の中でちびがもぞもぞ動く感覚が面白い。舌で転がしてやると喜んでいるようだ。 そんな風に舌で弄びながらちびゆっくりを探し、見つける度に口の中へ放り込む。 あっという間に十匹とも口の中へ。何てチョロいんだ。 「あっというまだったね!!!」 「ゆっくりするまもなかったね!!!」 そんな風に賞賛する親ゆっくり二匹。愚かな奴らだ。ゆっくりするのはこれからだというのに。 「じゃあ、ゆっくりあかちゃんをはきだしてね!!!」 ああ、吐き出してやるとも。頷いて、床に文々。新聞を広げ、二匹を両手でがっちりホールドする。 そして、口の中できゃっきゃと遊ぶちび共を一気に噛み砕く。プチプチという感触が気持ちいい。 口の中から物凄い悲鳴が聞こえる。ククク痛かろう怖かろう。 「お゛じざん゛や゛め゛でよ゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!どうじでごん゛な゛ごどずる゛の゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!」 「はや゛ぐだじであ゛げでね゛!!さっさとだずげであ゛げでね゛!!!」 そうかそうか吐き出して欲しいか。じゃあそうしてやろう。 新聞紙の上に噛み砕いたちび共を吐き出す。先程まで賑やかだった連中は、今や苦しみの声を上げるだけの醜い塊だ。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!れ゛い゛む゛の゛あ゛がぢゃん゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「うわ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!ゆ゛っぐ!!ゆ゛っぐり゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」 大変喜んでいただけたようで満足です。その後もねっとり言葉責めして反応を楽しむ。 やっぱゆっくりの活用法は食用じゃなくて愛玩用がベストだよな。 気の済むまで言葉責めする頃には、親二匹は廃人、いや廃饅頭になっていた。目は空ろで口をぱくぱくさせている。金魚みたいだ。 「じゃあこれを片付けないとな」 「ゆ゛ぶふぅっ!!?」 「ぐお゛え゛ぇ゛!!」 まだ半数くらいは息があるちびゆっくりの塊を二匹の口の中に押し込み、口を塞ぐ。 「「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!!」」 二匹とも物凄い勢いでもがく。さっきまでの様子が嘘みたいだ。ああ楽しい。もっと鳴いてくれ。 しばらくすると二匹ともしっかりちびゆっくり共を嚥下した。これでやる事は大体やったな。 「それじゃあ行こうか糞饅頭共」 「ゆ゛っ……ゆ゛っぐ……?」 「どごに゛…どごに゛い゛ぐの゛……?」 「勿論ゆっくり加工所さ。お前らゆっくりしたいんだろ?好きなだけゆっくりさせてやるよ」 「い゛や゛だあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!がごお゛じょはい゛や゛だあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「も゛う゛い゛や゛だ!!ゆ゛っぐり゛でぎな゛い゛がら゛お゛う゛ぢがえ゛る゛!!!がえ゛る゛よ゛お゛お゛お゛お゛!!!」 「そんなに嬉しそうに鳴くなよ、興奮するなぁ。何か良い事でもあったのかい?」 軽薄な感じで話しかけるが、もうこちらの声など聞いていないようだ。 肩をすくめ、山菜取り用のかごに二匹を詰めて蓋をして出かける。 道中、何やらゆっくりまりさがゆっくりれいむを攻め立てていたようだ。ひどい奴だ。俺からすれば同罪なのに。 日が高くなりつつある空を見上げて、かごの中のやりとりを楽しみながらゆっくりと加工所に歩いていった。 "Repaying the kindness" is COMPLETE!!
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「ゆっくりしていってねーゆっくりしていってねー」 別にゆっくりが言っているわけではない、ここはゆっくり加工所 牛や馬の厩舎のようなつくりの中で、ここ幻想郷で現れた謎のイキモノ ゆっくり種を加工するところだ ゆっくりたちは驚くことに「生きている饅頭」とでもいうもので 食事や生殖を行い、しかしその体はあんまん肉まんクリームまんなどの饅頭である 「「ゆっくりしていってね!」」 多重音声で答えるゆっくりたちに野菜クズや草などを与える ここはゆっくり霊夢、魔理沙、アリスなどを混成で育てるという場である 広さは10畳程度、地面は土でところどころに鶏を育てるような小屋がある 屋根と網で囲いがしてあるのは内部の逃走を防ぐ役割の他空から迫る捕食種のゆっくりレミリアに対する処置である 数人の男たちがそういういかにも動物の餌を振り撒きつつ、口にする言葉は 「ゆっくりしていってねーーゆっくりしていってねー」 念仏を唱えるように続けるとゆっくりたちがそれに続いて 「ゆっくりしていってね!」とつづけながら撒かれる餌に飛びつく 「うわっ」 そのうちのある男が足元に当たったものを見つけて飛びのく 金色の髪のゆっくりが地面に突っ伏している 「これはゆっくりアリスか、死んでるぞ」 持ち上げると、その顔は強張っており口からぼろぼろと土がこぼれる 「おおこわいこわい」 側に居たゆっくり霊夢と魔理沙が目を細め、体を寄せ合うと なんともうさんくさい表情でそんな言葉を吐く 「こいつどうしたんだ?」 普通、動物を飼ってる厩舎などでは死んだ動物の死因を突き止めるのは人間の仕事だが ゆっくり種の場合は他のゆっくりに聞けば返ってくる、その点は楽だ 「とかいはだから、ほどこしはうけないんだってー」 「あんたたちよくそんなのたべれるわね、とかいってたぜ」 「都会派?なんだそりゃ」 くだんのゆっくりアリスを持ち上げ見てみれば随分とほおがくぼんで髪などの色艶も悪い するとふたたび「おおこわいこわい」をはじめた2匹をぽんぽーんと蹴り飛ばし 年かさの男が近づいてきた。 2匹は「ぷんぷん」と怒ったが少し遠くに餌を投げるとすぐ忘れたように追っていった。 「ゆっくりは死んだやつあざけるのが腹がたつがやー」 少し年かさの男は訛っている 「アリズは外で知恵をづけっど、それにとらわれるんだなや、餌のえりごのみしやる」 「そうなんですか」 「動物のながには鳥とかのう、野性のもんをかおーとすっと、出される餌くわんとしんでしまうやつもおるけどのお、なんかそゆのとはちがうみたいやの」 訛りは幻想入りした日本語のため、分かりにくい部分もあるが 彼は元猟師、要するに習性か、プライドとでも言おうか、ゆっくりアリスは他のゆっくりたちより自分が特別でないと気が済まないという種であるらしい それでも孤立して暮らしていくには種として脆弱過ぎるため群れなどを利用するわけだが ある程度バラバラの群れを渡るようにして暮らせる野生ならともかく、いや野性でもそうなのかもしれないが 自分を精神的上位に置くという、そんなことを気取ってみても少なくともこの場では餌も居場所も一律のものが与えられている、群れはこの厩舎内のすべてのゆっくりでひとつで野性でもゆっくり種にどれだけの格差をつくりだせるものか、その結果現状を否定しつづけるうちに衰弱して死んでしまうようだ 「こいつら全部ココ生まれだぞ?どこから都会派なんて概念を知ったんだ?」 「つっても親は野性のもんやろ?親が教えたんかもしれん、そうでなくてもカラスはカーとなくげんどもな、ハハハ」 他方に餌をやりに行っていた、比較的がっちりした体型の男がゆっくりアリスを抱えて脇に挟んでと合計3匹ほど抱えて来る 「ありすはとかいはだもの、とくべつあつかいはなれてるわ、えすこーとはまかせるわ」 ゆっくりアリスはなんだか口々に若干甲高い声で喋っているが 解せず男は言う、ゆっくりは言葉は通じるが考えが狭く自分勝手で会話は疲れる 「どうします?アリス種はまた数を減らしてるみたいですよ、餌を食わない以外にどうも喧嘩を売って殺されたり、発情時の危険を知ってるらしい成体にやられるようですが」 「うーん、ここは自然から獲ってくるのではなく、できるだけ自然に近い味のゆっくりを人の手で育てられないかということでやってる厩舎だからなあ、だから種別もばらばらでやってるわけだし」 いわゆる地鶏ならぬ地ゆっくり(じゆっくり?)だろうか ふとゆっくりアリスを踏んだ男が見やると 用意した障害物の切り株や小屋の影に数匹の金色の影が隠れたのが見える ああ、と何か理解してがっちりした体型の男に抱えたアリスらを離すように目線を送り 答えてその持って来られたゆっくりアリスが放たれる 他のゆっくりが「うめ!めっちゃうめ!」などと餌に夢中なのに対して 「まあ、わたしはべつにどうでもいいんだけど、わたしのどこにそんなみりょくがあったのかしら、まったくわからないわ、ふふふ」 と誰ともなく自慢?をしているようだ もちろん食べるのに夢中で相手にしているゆっくりは居ない その3匹以外のゆっくりアリス以外は・・・ 餌も食べずじっとりとその3匹を見てる。苦渋の表情を浮かべたのは人間である 「同士打ちもするようだな、こりゃ」 「すみません」 がっちりした体型の男はその身を縮めてしまう ゆっくりアリスを踏んだ男はいいよと返しながらそのがっちりした男に向かって述懐する 「野性でもあの旺盛な繁殖能力でゆっくりアリスの数が少ないはずだ、ゆっくりアリスの群れの外からの視点が、いわゆる群れの思考の凝固を防いでいるようなところもあるんだろうが 脆弱なゆっくりなのにこんなに群れに馴染まない性質をもつとは頭が痛いな ゆっくりパチュリーなんざこんな実験段階の厩舎にまわってこないし こりゃあ、発情で全部ゆっくりアリスになるとかの状況の前にゆっくりアリスが死滅してしまうぞ・・・ゆっくりアリスだけ餌を特別にやるとか何か考えないと」 「さすが元学者さんはゆっくりに詳しいですね」 がっちりした体型の男が賞賛の言葉をかける、元学者という男は頬を掻くが じっとゆっくりアリスを観察しながら年かさの猟師の男が言う 「いや、それはあかんやろ」 「そうですか?」 「いくらゆっくりでも特別扱いしたら不満に思う、フリだけで本当は皆と同じものしか食わさないとしてもなあ 牛や鶏でもそうなんだから、ゆっくりがそうでないという保障もねえや そういうことばっかりめざいといような生ぎもんだしな あとゆっぐりありすはどうもこうやって飼ってる以上は増えないようだど?」 元学者の男は目を見張ってゆっくりアリスを見やる ちょうどまださっきの特別扱いされたと思っている3匹のゆっくりアリスが 誰にも聞かれてない自慢を、ほぼ涙目になりながら続けているおかげでほかのゆっくり種はともかく、ゆっくりアリスは全部動かずにじっとり目線を送り続けている、すばやく数を数える 「本当だ、減ってるけど増えてない、ゆっくりアリスは繁殖すると子が全部ゆっくりアリスになるとか5分5分じゃなくて半分以上の子がゆっくりアリスになるというけど」 「普通は動物っていったら取れる餌が多くなって増えすぎるもんだが ゆっぐりありすはどうも取れる餌が少なくなると、群れを圧倒するために増えるよだな なんともはや」 どうもゆっくりアリスは、自分のためだか意図せずか、自分で自分で命綱のはずの群れの生態バランスを崩しにかかりすらするらしい 元学者という男があきれたようにゆっくりアリスを見やる そろそろ、三匹のゆっくりアリスたちは無視を続けるほかのゆっくり種に偶然をよそおって体当たりし注目を向けさせようとしているようだ、返り打ちにあって踏みつけられた。 「なんでこいつら野性で生きていけるんだ」 思わずこぼした言葉にがっちりした男が身を縮めながら答える またゆっくりアリスが減らないかと気が気でないようだ 「たぶん人間の顔と言葉を持つからだと思います。熊とかでも歌いながら歩くと襲われないといいますし、で妖精や妖怪が避けるのは・・・」 男は大柄な体をさらに縮めて言葉を続ける 「たぶんその人間のなかでも特別な顔に似てるからではないかと・・・」 学者の男は肩をすくめる たいてい妖怪同士が繰り広げる弾幕勝負は死と隣り合わせの幻想郷の神秘、娯楽だが それに参加できる数少ない人間、その人間の顔をぎゅっと潰して中途半端に膨らませるとゆっくりたちの顔になる、どうも本人たちは不本意のようで口にするのも失礼なようだが それでゆっくりたちが生き残ってるというなら、毒蛙のふりをする無害な蛙や毒蛇のふりをする無害な蛇のようなものだろうか 「わしも猟師の仕事があがったりじゃけん、でかせぎにきとるんよ たいていの動物は人間の声で逃げるでの」 思考の海に沈みかけた元学者の男に別方向から声がかかる 「おーいまたやってるぞー」 男が瞬間で思考から戻り、顔を上げ声の元にいく 「ここはれいむのおうちだよ、じゃましないでね!」 「またやったか」 厩舎の端に餌やりの全員、総員6名がそろっている それほどの事件とは 「おまえら言っただろ、それはダメだって」 「あそこはダメになったからここにしたんだよ?ゆっくりでていってね」 主張によると場所を変えたからいいだろうということらしい そこには通称十分育ったお母さんゆっくりこと、ゆうに1m以上の大きさのゆっくり霊夢が半分ほど土に埋まって鎮座していた。 絵面はどうもユーモラスだが、またやらかしたこととはその掘った穴のことだ 「ここでは穴を掘るのはやめてくれと言っただろう」 「しらないよ!ぷんぷん、あかちゃんたちがゆっくりするためにひつようなんだよ、れい むのうちだよ!ゆっくりさせてね!」 「お前が産んだ子は加工されて居ないよ、それは未熟だから代理母を頼んだだけなのに」 「ゆ?わかんない、ここはれいむとあかちゃんたちのいえだよ!」 「ていうか3日前に来たやつだろコイツ、まあ大した母性本能だな」 話は平行線である 元学者の男だけが無言でその様子をみていた。 なんとそのゆっくり霊夢は今も土を食べて穴を掘っているのだ 「はぐはぐはぐ、むーしゃむーしゃ」 「掘るんじゃねえ!」 職員の全力の蹴りが飛ぶ そういえば食事をえり好みするくせに排泄をしないゆっくり種は、代わりにありえないほどの回復能力を持ち、形態としては単細胞生物や植物に近いと永遠亭の研究結果があるが 「ていうか、こいつら餌って土でもいいんじゃねーの?」 「いや、まあ一応は食料となるもの以外を食わせると回復力も味も落ちる一方なんだがな、そもそも普通は口にしようとしない」 さっきまで餌やりをしていた立場からすれば土などを食われてもということだ 土を穴を作るほど食うなどミミズのようである 「どうも子供が居ると一定の場所、巣を求める性質のようです。」 「熊とかといっしょだなや、しっかしそんなしょっちゅう穴も掘っとれんだろに」 「大きい固体ですからね、ココ育ちで経験は無いはずですが・・・本能でしょうか」 一人の男がボロ布を手に巻いて無造作に穴掘りを続けるゆっくり霊夢の下に手を突っ込む 「ゆっくりさせてねッ!!がじ!」 「あーこれだけ大きいと流石に噛まれると痛いねー」 そんなことを言いつつ何事も無く、口を取っ手か何かのように基点にして担ぎ上げると穴から出す。皆心得たもので数人で踏みつけて穴に戻るのを阻止する 「れ゛い゛む゛のおうちーーー!あかちゃんたちがーー!」 「「ままー」」 「あーはいはい、とりあえずもう穴はやめろよ何度やっても無駄だ」 足蹴だ、蹴飛ばすように足で穴からちび霊夢たちを蹴り出す。 「ぷんぷん、おにいさんはゆっくりできないよ、ゆるさないよ」 「あーはいはい、その頭で明日まで覚えてられるなら憶えてろよ、俺は今日はこれで上が りだ、メンバーかわんねえのに誰の顔も覚えたことなんてねえだろ」 「ひどいごとされると顔憶えるが恩義はすぐに忘れるみてーだなや、犬猫と逆や」 「回復能力が高く雑食だから恩義で懐くより利用に頭が向いてるんだろ」 ボロ布を巻いた男に声がかかる 「噛まれて平気なんですか?」 「あーどこまで大きくなってもこいつら噛む力は人間並みだから、普通そんなに噛む力が 強い動物は口がアゴから出てて噛むのを得意とする形状してるだろ、犬とかな こいつらは人間の言葉を話せる代わりにそのへんが弱いのよ、だから餌も食い散らかす 本来は虫とかの一口大の大きさのものを丸ごと食べるか、柔らかい草木をむしりとるよ うに食うんだ、それしか出来ないというのだろうがな」 「だが餌をいちいち一口大に切り刻んでというのは手間がかかる」 「動物が硬い獲物をぐうときは首をこっ、こうやって捻ってちぎるんだども、こいつら首ねえしなあ、顔が地面にめりごんじまう、ハハハ」 「ゆっくりが信条だから食事も楽しむようだしな、むーしゃむーしゃしあわせーってか」 「鼻がないから噛んでも長時間保てないとかも聞きます」 「とりあえず食事のことはいい、この穴だ」 皆はしげしげと穴を眺めた。 太い穴には小さな横穴が掘ってあって、そこに小さなゆっくりがおさまっていた。 小さなゆっくり霊夢が食べて掘ったらしい、このおうちとやらは完成すれば、入り口から直径一メートルの穴が続き奥で小さな分岐がいくつかある、キツネなど巣のようになったはずだ、聞くところに寄ればそういう動物の巣などを怒鳴って追い出し占有するとも聞く 動物だけじゃなく人間の家すらそれをするらしい とりあえずゆっくりを全部巣穴から放り出し、目の前の問題としてはこのゆっくりの巣穴は埋め戻しが困難なことだ、掘った土が無い 「野性だと口に含んで吐き出して掘るそうですが、それをしないのは餌が十分あるからでしょうね、捕食種も居ないから体力が落ちても襲われる心配がないというのもあるでしょう、どうしますか」 「あーあのへんな道具屋の一輪車とやらを買えばよかったー」 「結構手間ですよ、もう何回目でしょう・・・」 「やれやれ・・・」 ほおっておけば厩舎が崩れかねない、穴に落ちてごく小さな種が潰れて死んでも困る そもそも一定のテリトリーなどを許せば、排除行動も行うだろう 前提とした厩舎のつくりになってないという人間側のミスの問題もあるだろうが・・・ ずーんと暗い空気のなる人間をよそ目に一匹のゆっくり魔理沙が巣穴に飛び込んだ 「ここはまりさのおうちだよ!でていってね!」 「ちがう!れいむの!」 相撲取りが太ってると強いという論理でゆっくりの大きな個体は強い 体全体の押しつぶしや体当たりは、その個体より小さな個体はほぼ圧倒する その分大きくなるほど動きは鈍くなる、高く跳ねることはできないし小回りも効かない 足が無いからふんばりが効かず動物や人間などを押し倒すことなど不可能だ、よほど地面に伏せている、寝てるなどと身を低くしているところに押しつぶしを食らえばそれなりにダメージはあるだろうが しかしどこまで行っても体は饅頭で攻撃法もそれ以外無い、飛び跳ねる足音?も相当響く野性では動物はそれで存在自体を避けるようだ つまり、どんなに大きくてもやっぱり人間に足蹴にされて簡単に排除されてしまうわけだ 「いたいよ!せっかくまりさのおうちになったのに」 「あーおら!貴様自分で掘るのはダメでも他人の掘ったのを奪えばいいって腹だな」 「おにいさんがんばってね!れいむのおうちをまもって!」 「あー!!守らねーよ!ここは埋める!誰の家にもしねえ!」 「小屋もあるけど体が入らないのか、もっと大きな小屋が要るのかなあ」 「これ以上おっぎな家となるとぉ、牛が飼えるようになるぞハハハ」 「この場所では無理ですね、この大きさのゆっくり霊夢はまだ3匹くらい居る、元は交配用の処分物を幼児種の育成にもってきたのにどんどん大きくなって」 「餌がいいのかねえ、それとも運動が足りないのか」 「こいつら成長はしても肥え太るというのは聞きませんけどね」 ふと会話は止まり、視線はずっと無言の元学者の男に集まった。 彼はここの責任者だった。 「・・・」 元学者の男は考え、そして端的に言った。 「ここの育成は問題があるから最初からやり直す」 他の五人からはため息とともに嘆息の声が漏れた。 「そして自然のままに育てるという目的は果たされていないため、全部商品にならない 品質のため全処理を行う、撤収」 巣穴はなんと手近な小屋をひっくりかえして突っ込むというぞんざいな方法で埋められ 「れいむのおうちがー!」「まりさたちのおうちがー」などという被害の声を無視し 人間は全員が厩舎から出て行く 「ゆっくりしていってね!」 ゆっくりはさようならもそんな言葉だ 人間皆が哀れみの表情を浮かべているのに気づかない 夜はほどなくして訪れた。 厩舎の明り取りに程度しか開かないはずの天窓部分が全開に開き 人間の声がさっきの地ゆっくりたちの厩舎の天井からする 「はい、う゛っう゛ーはい、う゛っう゛ー」 薄い天井を歩き回る人間の足音にいぶかしげに天井をみやるゆっくりも居るが 大抵は睡眠欲のほうが勝って眠りに入る、すっかり警戒心を失っているのだ それに人間でない子供のような舌足らずの声が返る 「う゛っう゛ー♪」 ここで俯瞰してゆっくり加工場全体を見てみよう 加工場は広く、その施設の中でも鉄の骨組みに編んだツタなどの網で数本の木を丸ごと包んだ、巨大な鳥かごのような施設がある その鳥かごは四方八方に腕のようにトンネルが厩舎の格施設の天井に繋がっているようだ。これが現代ならそのようなものを空調の配管などと答えるところだが空調などではない、そのトンネルは直径一メートルを越えた太さで金属の網製だからだ 「「う゛っう゛ー♪う゛っう゛ー♪」」 処理が開始される 捕食種ゆっくりレミリアが食べるのは他のゆっくり種 加工場では加工に回されないゆっくりをトンネルをつたってその厩舎に行って食べる 要するによほど特別に育てられてる種でないかぎり他ゆっくりの処分に使われてた。 これは工場部の逃走したゆっくりの駆除などにも使われているシステムだ やっと地ゆっくりたちが天井からやってくる天敵に気づく 「まりさはみないこだね?ゆっくりしていってね」 「なあにーれいむねむいー」 「とかいはのありすはりゅうこうにびんかんよ、と・ともだちになってあげてもいいわ」 「「ぎゃお~たべちゃうぞ~♪」」「「う゛っう゛~♪」」 ゆっくりたちは夜目が利かないらしく気づかないようだ もう天井を埋め尽くすほどゆっくりレミリアの大群が存在するのに よたよたぽとんと、とても他の鳥と比較するには無様な様子でゆっくりレミリアが降りる そこにゆっくり魔理沙が近づいた。 「しんがおか?ここはうまくはないがたべものもあるし、ゆっくりしていってね!」 「がぁお~♪う゛っう゛~♪いただきまーす」 「えさはにんげんがもってくるんだぜ?」 会話は成立せず、ゆっくり魔理沙のもちもちのほっぺは半分欠けた。 「むーしゃむーしゃ、う゛ーでりしゃーす♪」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛な゛なんでこんなことするのお゛ーーーー!?」 「おいっしーよ、まりさおいしー♪」 ここに至っても双方にコミニケーションは無かった。 再び牙か八重歯だかの見える口でゆっくりレミリアがゆっくり魔理沙の頬にかぶりつく 「や゛め゛でぇぇぇぇたべないでーーー!ゆっくりできないよお゛ーーー!」 振りほどくようにゆっくり魔理沙がその場で身を翻すと、伸びたほっぺがぶちんと切れた。 「まりざのほっべち゛ぎれ"たあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 ぽろぽろとみずみずしく光る餡子が落ち、すかさずゆっくりレミリアが舌で舐め取る 「もーぐもーぐ、しあわせー!う゛っう゛ー♪」 「まりさしあわせじゃないー!ゆっくり゛できない゛ーーーーーー!」 目の幅涙を流しながら訴えるゆっくり魔理沙の声は無視されて今度は帽子が奪われる ゆっくりレミリアには、いわゆるゆっくり種の特徴、飾りを食べ残す種も居るが 「むーしゃむーしゃ、おつなあじーう゛っう゛~♪」 このゆっくりレミリアは好き嫌いが無いらしい 「やめ゛て、やめ゛て、やめ゛て、やめ゛て」 その後も会話は成立しなかった。 頭が欠け、目が片方欠け、口が半分になるころには声も出なくなり ゆっくり魔理沙はすべてゆっくりレミリアの食事となってゆっくりと腹?に収まった。 そんなことが厩舎の全域で起こっていた。 巨大なゆっくり霊夢は数匹のゆっくりレミリアにたかられ、バラバラ千切られ 逃げ回っていた小柄なゆっくり魔理沙はちょうどジャンプの頂点で噛みちぎられ落ち 口八丁でゆっくりレミリアに取り入ろうとしたゆっくりアリスは会話を解されず 「とかいはのありすにはあ゛りえないよー」などとのたうちまわりながら食われ 小屋に逃げ込んでも、小屋はこの処理を前提にして壁が丸ごとない構造 そもそもゆっくりが入れる小屋にゆっくりレミリアが入れない道理もなく 小屋に逃げたゆっくりは小屋で二人きりゆっくりと捕食されることになった。 厩舎の乱痴気騒ぎはそれだけでなく、必死で背中に子供を隠そうとするあまり押しつぶし殺してしまう母親や、危機に瀕して本能が目覚め、自滅必至の幼生種に交配を強要するゆっくりアリスや「うふうふふ」などと友か親かの死滅に現実逃避し笑い続けるゆっくり魔理沙など ゆっくり朝日が昇るころには全ての種が、文字通りゆっくり消えてなくなった。 「はい、う゛っう゛ーはい、う゛っう゛ー」 天井が叩かれるとゆっくりレミリアはよたよたと飛んで鳥かごの自身の厩舎に戻る 大抵のゆっくりレミリアは夜行性、太陽で消えてなくなるなどという種も居るが太陽は苦手で共通している、が苦手とするわりに遮光の程度は木陰に居る程度でかまわなかったり日傘があれば大丈夫だったりもするのでそのへんはゆっくりらしくぞんざいな作りである 「う゛っう゛~おなかいっぱーい♪」 「はいはい、おじょーさま巣に帰ってね、おねむの時間だよー」 ゆっくりレミリアの飼育員が処理に使った個体全ての帰還を数で確認し天井を閉じた 厩舎には大量の食べかけの饅頭のかけら、そして帽子やリボンなどの飾りが落ちている 朝出勤した別の職員が熊手などでそれもかき集め、他の捕食種ゆっくりゆゆこやゆっくりレティなどの食料とするのだ、そしてしばらくの時間が流れる 「ここがれいむのおうちなんだね」 「そうだよ、ここが新しいおうちだよ、ゆっくりしていってね」 「うんゆっくりしゅるよ、ゆっくりちていってね」 小さなゆっくり霊夢は手のひらからぴょんと飛び、その場所がひとめで気に入った。 母親が居ないという異常事態が依然存在するはずだがゆっくりブレインは忘却を選択 板張りの床に遊具、彼女にぴったりの大きさの小さなおうちに水のみ場 そこに同じくらいの大きさの黒い帽子のゆっくりが近づいてきた。 「ままーままーまりさのままはどこー」 「ゆゆ!あなたはゆっくりできるちと?」 どうも同じく幼いまま親から離されたゆっくり魔理沙のようだ 「ゆ?れいむいがいのゆっくり?ゆっくりちていってね!」 「ゆ?だれ?あ!ゆっくりちていってね!」 本能に刻み込まれたゆっくりしていってねは舌足らずでも通じあいきゃっきゃと騒ぐ 幼くストッパーの親も居ないゆっくりブレインには危機感の三文字は遠いことだ 「名づけるならば幼稚園方式、またの名を紅魔館方式」 腕組みしてつぶやく職員の横から次々に厩舎に放たれるゆっくり種は全部幼生体のみ 処分に対しては上の許可が下りたが厩舎は拡張が効かなかった。 そこで敵が居ない、餌が豊富という厩舎の状況を逆手に取って厩舎を広くできないならば小さなゆっくりたちを飼えばいいという考えである この第一陣以外に同じような幼生体ゆっくりを継ぎ足し継ぎ足し追加し成体になった個体からじゅんぐりに加工に回すという育成計画である 「ありしゅはありしゅだよ、ゆっくりしようね」 「いいよれいむとゆっくりしようね」 職員の一人がふとつぶやく 「これが牛とかならこんな簡単に処分というのは無いでしょうね」 「ゆっくりのサイクルの早さがあればこそだな、抱えるほどの大きさとなるとそれなりに 時間がかかるものだが茎式の出産では即座に喋れる個体が出来る」 「どうだか、外では狩りもせんと肉を食えるていうからのぉ・・・」 ふとある個体が彼女らにとってはとてもとても広い厩舎の端に、板の下に違和感を感じた。 「おにーしゃーんおにーしゃん、れいむのおうちのここへん」 「ここって?どう変なんだい?」 期せずしてその職員は数ヶ月前に同じ厩舎でゆっくりアリスを踏んだ元学者の男だった。 「おこえがしゅるのーへんだよーきょわくてゆっくりできないよー」 「はいはい、おい食事を与えて集めろ前に穴があった所だ、埋めたぞ?・・・それに声?」 さあ食事だよーと餌が撒かれる、餌やりの文句は 「ゆっくりしていってねーーゆっくりしていってねー」 「ここか」 数人の職員がその厩舎の端の板に集まり、がっちりした体型の一人が板に耳を当てる 「しますね、なんか声します。」 「あー?なんだなんだ一体、こりゃ恐怖物語の一説か?」 手早く板が外されると円形にそこだけ色の違う土が見える その色の違う土の一部がなんだかもこもこと動いてる 「ぷは!おそとだーすっきりー」 「すっきりー」 ゆっくりのあらゆる状態を見てきて慣れている職員でもぎょっとしたのはその土から出てきたゆっくり霊夢?が輪をかけて異常な姿をしていたかだ 「おじさんたちはごはんをもってきてくれるひとだね、れいむはおなかすいたよごはんもってきてね、れいむはゆっくりできないよ」 「れいむもこんなのばっかりたべてたからべつのものがたべたいよ、れいむのぶんもはやくもってきてね」 「泥団子だ」 職員のつぶやきが正解である、そこには赤いリボンを付けた黒髪の・・・ゆっくり霊夢型の泥団子が鎮座してゆっくり霊夢のように喋っていた。 「ぷんぷん、れいむはどろだんごじゃないよ、しつれいしちゃう」 「ゆ?」 片方の個体が片方の個体を太陽の下でしげしげと見やる、泥団子である 「よごれてるよ?れいむがきれいにしてあげるねぺーろぺーろ」 「あは、くすぐったいよ」 「あーなんだ汚れてる・・・だけだ・・・よな?」 舌まで砂色の片方のゆっくり霊夢が、もう片方のゆっくり霊夢を舐める さらさらと舐められたゆっくり霊夢からは砂が落ちて下からはもちもちの真っ白な饅頭皮ほっぺが・・・出てこなかった。舐めても舐めても泥の塊 「おおおおおかしいよ、れいむのかおおかしいよ?」 「ななななんんなのれいむのかおなんなの?」 「ちょ、ちょっと穴を見てください、あ?うあ!」 穴を覗き込むと相当深い、別の職員が底に手を突っ込むと肩まで入っている 最後のあ!はあちこちに支道があるようでそれを踏み抜いて職員がつまづいた声 そして掘った土は無い 「君たちいったいどうしたんだい?」 分からなければ本人?に聞いてみればいい、ゆっくり飼育の基本である そして聞いたところによると 夜に眠っているとう゛っう゛ーと唸るへんなのが来てお母さんがおうちで塞がっていたおうちに押し込んで土を食べて食べてといわれたので食べまくっているとそのうち静かになった。 どうやらあの処分の前の日に穴を掘った一メートル越えのゆっくり霊夢の子だったらしい ゆっくりレミリアから守って親が土の中に生かしたようだ 「余計なことを・・・」 「れいむたちどうなったの?」 「俺が聞きたいよ」 時間的にはその処分から1ヶ月が経っている 次の計画の実行のために厩舎には板が張られといろいろやってるうちにどうやら土の中という環境に馴染んだ固体になったようだ、話からすると土だけじゃなくミミズなども食べていたということらしいが子供の個体というのが環境の適応能力の柔軟性を持たせたのか これがホントの地(面の下で生きられる)ゆっくり 「まあ要らないな」 「れいむいらないこじゃないよ?!」 どっかの3姉妹の定型句か 「2匹居るのは好都合だ永遠亭行きだな」 「えいえんていってなあに?」 「ゆっくりできるところだよ、ああゆっくりできるだろうさ、死なない人間が相手だ」 「ここじゃないところでゆっくりできるんだね?ゆっくりしていってね」 無邪気に笑う、名づけるとすれば泥団子霊夢2匹は早々に退出される 「穴は板を張れば全然大丈夫です」 「なら予定通りに育成が始められるな」 加工場の本当の地ゆっくり育成はこれからである 泥団子霊夢が永遠亭でどうなるのかそれはまた別の話 byアンバランス このSSに感想を付ける
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とある施設の一室でそのゆっくりは目を覚ました。 周囲を見渡すと自分と同じ形のゆっくりと黒い三角帽子をかぶったゆっくりが複数いる。 ほとんどのゆっくり達はまだ眠っているが数匹のゆっくりは目を覚ましていた。 部屋の中心には黒ずんで朽ちたものがあったが何かはわからなかった。 「ゆっくりしていってね!」 一匹のゆっくりが大きな声で叫んだ。それがまるで合図であるかのように寝ていたゆっくり達が目を覚ます。 「ゆっくり!」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆ、ゆ・・・」 次々とゆっくり達は目を覚ましていく。数分のうちに部屋にいるゆっくり達はすべて目を覚ました。 ゆっくり達はここが何処だかわからずキョロキョロと周りを見回している。 その時部屋の隅にある扉が開き一人の年配の男が入ってきた。 ゆっくり達が男に話しかける。 「ゆっ!おじさんだれ?」 「ここはどこなの?」 ゆっくりが達が尋ねると男が説明を始めた。 「こんにちは。ここはゆっくり繁殖場だよ」 「繁殖場?」 「最近天然のゆっくりが乱獲されて数が激減していてね、ここは数が減ったゆっくりを繁殖させて野生に返す施 設なんだよ。君たちのうち赤いリボンをしているのがゆっくり霊夢、黒い三角帽子をしているのがゆっくり魔理 沙と言うんだよ。そして君達はたった今生まれたばかりなんだ。だからここがどこだかわからなかったんだよ。 でも安心してゆっくりすればいいよ。」 まだ何の知識も持っていないゆっくり達は素直に男の言うことを信じ飛び跳ねて喜んでいる。 「そうそう、生まれたばかりでお腹が空いているだろう?食べ物を持ってきたよ。」 男は持ってきた和菓子や洋菓子をゆっくり達の前に置いた。 「おいしい!」 「うっめ!」 「メッチャうっめ!」 ゆっくり達は満足そうに与えられた食べ物をたいらげた。 男は部屋から出て行く際に、 「外は危険だからこの部屋から出てはいけないよ。外から危険なものが入ってこないようにこのドアには鍵をかけ ておくよ。」 ゆっくり達は男の言うことを素直に聞き入れゆっくりしている。そしてお腹がいっぱいになったせいか眠りにつ いた。 次の日、また男が部屋に入ってきた。ゆっくり達は歓迎する、 「おじさん、ゆっくりしていってね!」 「ゆっくり遊んでいってね!」 ゆっくり達は無邪気に飛び跳ねている。すると男は、 「今日はこの部屋にいる君達の半分を別の部屋へ移動させるよ。これだけの数がいると狭くて住み辛いだろうから ね。」 ゆっくり達は仲間が少なくなるのはいやではあったが、男の言うとおり部屋が狭いと言うことと、信用している おじさんが言うことなので素直に従った。 5分後、部屋にいたゆっくり達の半分は男の入ってきた扉から出て行った。 残ったゆっくり達は寂しそうだったが、部屋が広くなったのですぐに部屋を飛び回り喜んだ。 その後ゆっくり達は毎日やさしいおじさんに食べ物をもらいゆっくりとすごした。 -2週間後- ゆっくり種というのは成長が早いらしく2週間で生まれた時の3倍もの大きさになっていた。以前に比べると広 かった部屋も全員が自由に飛びまわれなくなってしまっていた。 いつものように男が入ってきた、 「おじさん、ゆっくりしていってね!」 まだご飯の時間ではなかったのでゆっくり達は不思議そうにしている。すると男は、 「そろそろ外の世界に慣れさせる頃だね、明日から一匹ずつこの部屋から出てもらうからね。」 「ゆ!!!」 ゆっくり達はびっくりした。2週間優しく世話され満足な生活をしていたため生まれた日に説明されたことをす っかり忘れていた。 「数が減っているゆっくり達の数を増やすために必要なことなんだ。わかってくれるね?」 ゆっくり達は不安そうな顔をしている。 「大丈夫だよ、すぐには野生には返さないから。ゆっくり慣れてもらうつもりだから安心していいよ」 おじさんの優しそうな笑顔を見てゆっくり達はいつもの陽気な顔に戻っていった。 「それじゃ明日から一匹ずつ出てもらうからね。緊張せずにゆっくりしてればいいよ」 そう言って男は出て行った。 そして次の日から一匹ずつゆっくりが外の世界へ旅立っていった。 -数十日後- 部屋にはゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙の2匹だけになっていた。部屋から出て行ったゆっくり達がこの部屋に 戻ってくることはなかった。2匹は早くみんなのもとへ行きたかった。もうすぐおじさんがやってくる頃である。 扉が開く、 「やぁ、2匹で寂しい思いをさせて御免ね。今日はゆっくり霊夢の番だよ。抱えて部屋からでるから静かにしてい ておくれよ。」 「おじさん、ゆっくりしようね!」 男はゆっくり霊夢を抱え部屋から出て行こうとする。ゆっくり魔理沙は、 「もっとゆっくりしていって!」 と叫ぶが男はそれが聞こえなかったかのように部屋を出て行った。 部屋から出てしばらく歩くと目の前にゆっくり魔理沙を抱えた金髪の女性が立っていた。 「今日もゆっくりしようね!!!」 ゆっくり霊夢は無邪気そうにしている。 その時! 「では始めます」 おじさんがそう言った瞬間ゆっくり霊夢は宙を舞っていた。 「ゆっ、ゆっくり!?」 ゆっくり霊夢は驚愕の表情で何が起こったかわからないままおじさんとの距離がどんどん遠ざかっていく。 その時なにやらやわらかいものにぶつかりぽよんとはねてコロコロと転がる。 ゆっくり霊夢は目の前で巨大なゆっくりがのっそりと動くのを見て、叫ぶように、 「ゆゆゆゆゆゆっくりしていってね!!!」 といって投げられた方向に向かって一目散に飛び跳ねていく。はじめて見るものだが本能が危険だと言っている ようだ。そして扉にたどり着くが開かない。 「早く扉を開けてね!!! 」 ゆっくり霊夢の後ろでは巨大なゆっくりが飛び上がって向かってくる。 「早くして!お願い!おじさん!たずげでぇぇぇぇぇぇ!」 ゆっくり霊夢は顔がくしゃくしゃになるほどに号泣し、おじさんに哀願している。 そんなゆっくり霊夢を尻目に巨大なゆっくりはその巨体に見合うだけの分厚い下のびろーんとのばしゆっくり霊夢 に巻きつける。 「ゆっくりした結果がこれだよ!!!」 号泣するゆっくり霊夢は悲しげな絶叫を残して巨大なゆっくりの中へ飲み込まれていった。ゆっくり霊夢は見た、 数日前まで自分と一緒の部屋で暮らしていたゆっくり達がそこにいた。ほとんど原型を残さないほどばらばらで 意識がないもの、大部分がくずれているがまだ意識はあるもの、少し皮がなくなり中身の餡子が見えているもの。 意識のあるものはみな号泣していた。そして巨大なゆっくりの口が開いたとき信頼していたおじさんが見えると、 みんな視線をおじさんに向け、 「おじさんだずげでぇぇぇ」 「もっとゆっくりぢたいよー」 「ここからでだいー」 と哀願する。 しかし男はゆっくり達のしっているおじさんではなかった。まったくゆっくり達には興味がなさそうに金髪 の女性と話をしている。 そして無慈悲にも巨大なゆっくりの口が閉じられ中は暗闇で満たされる。 ゆっくり達は、意識がなくなるまでの数日間この絶望的な状況でただひたすら号泣することしかできないのであっ た。 End 作成者:ロウ 後書き 最後まで読んでくださった方々、まずはお礼を申し上げます。 6月頭にある画像掲示板でゆっくりがいじめられている画像を見て。他にないものかと探し、この掲示板までたど り着きました。そして過去スレの“ゆっくり加工場”のtxtを読み衝撃を受けました。 そして誠に勝手ながら加工場の設定をお借りし、素人ながら文章を書かせていただきました。 加工場の文章を考えた方へ このたびあなた様の作成されたゆっくり加工場で巨大ゆっくりレティに食べられる霊夢の生涯を勝手に書かせてい ただきました。もしこのことにお怒りでしたら、この場をかりてお詫び申し上げます。 みなさんが希望するのならば、ゆっくり達が生まれた次の日に部屋から連れて行かれたゆっくり達がどうなったか を書きたいと思います。 あと、ゆっくり達が生まれたときは小さくて2週間で大きくなるというのは物語の都合上私が勝手に考えた設定で すのであしからず。 ゆっくり加工場系15 ゆっくり魔理沙の生涯『加工編』
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前編 終わりも始まりもない 目を覚まして立ち上がろうとして久しぶりにかがみと一緒に寝たなぁと思った。 一年やそこらぶりではなかった。就職する前、大学生といってもまだまだ高校の頃のように遊んでいた時以来。 かがみはクッションだったりぬいぐるみだったり抱きつき癖があった。 寂しんぼさんなんだからと言っていた。昔真っ赤になって否定していた彼女もほんの少し認めてる。 今もこうしてすっぽり抱えられて、あの頃から全く成長していないことに嘆くべきか。それともかがみにとって安心できる存在だと自惚れてみるか。 意外とぐっすり眠っている。小さな規則正しい寝息が髪にかかる。 起こそうかもう少し寝かせとこうか。迷った挙句いつの間にか再び夢の世界に落ちていた。 結局かがみが先に起きる形になってからかうことはできなかった。 寝ぼけ眼の無防備なかがみじゃなくて、普段のようにきちんとした状態で、なぜか私の隣で。 呆れているようでいて優しさを含んだ声。ちょっと起きるのが惜しかった。 まぁだけど、頬をつっついてきたり髪をいじられたりしたらくすぐったくて寝られない。 「おはようこなた。相変わらず可愛い寝顔してたわよ」 「……かがみのえっち」 肘をついてにやにや笑っているかがみが目の前にいる。あの頃と何ら変わってなかった。 「というか着替えまで済ませてるくせになんで隣で寝てるのさ」 「いいじゃない別に。こなたは年を取らなくて羨ましいなーって」 「正直に全然成長していないって言ってくれていいから」 どこに行くにも身分証明に免許を常に携帯していないと大変だし。 ようやくかがみが体を起こす。ツインテールをやめたサラサラの長い髪は大人の女性っぽさを感じた。 いつからだろうか、確か大学に入ってからはポニーテールが中心だった。そして結わってかわいらしさを意識するのは少なくなった。 相変わらずの長くて長い自分の髪に触れる。毎朝寝癖がひどくて。 鏡に映る自分の姿。私はお母さんに近づけているのかな。 「こなた、どうしたの」 「なんでもない。着替えるから向こう向いててよ」 「ん、わかった」 薄紫の髪。ちょっと大きくなって見える背中。 普段より少し着替えるのに手間取った。 「一応ちゃんと自炊しているみたいね」 私の作った朝食を前にしてかがみが言った。 「これでも家事全般は小さいころからやってきてるからね。別に面倒だとも思わないわけですよ」 「そっか。あんたが一人暮らししたらぐーたらな趣味三昧の毎日になると思ってたけど」 「失礼ですなー。そういうかがみは料理の腕、少しは上達したのかな?」 「うっ。なんとかカレーとか肉じゃがならできるように……」 なんという定番な。男が喜ぶ女の子の手料理ベストスリーに入ってるじゃん、それって。 食べてみたいな、なんて思ってしまって。「かがみは誰に作ってあげるのかな?」とかいうバカな質問をしそうになった。 「こなた、美味しいよ」 「ん、んぐっ。あ、ありがと」 そんでもってかがみが急に褒めてくれるもんだから、ちょっとむせてしまったじゃん。 素早い動作でお茶を差し出される。これでめちゃくちゃ熱かったらコントかって感じだよ。 何やってんのよもうって感じの表情のかがみ。高校時代はどれだけこんな顔をさせてしまっただろう。でも本当は誰よりも優しかった。 心の中の小さなそれは決してなくなりはしなくて。 「あのさ、かがみ」 「うん?」 「今日時間ある? 久しぶりだしさ、どこか出かけようよ」 「もちろんよ。せっかく会いに行く機会なんだからそれくらい予定に入れてたわ」 言って歯を見せて笑った。思わず目を細めてしまうほど眩しかった。 高校時代に何度も行ったアニメショップとかのある場所じゃなくてまともな中心街を歩いていた。 別名オシャレ通りなんて呼び名もあるそうな、きらびやかな街並み。 ただ滅多なことでは行かなそうなアクセサリーショップも、道行く若者のファッションを見てても、私は違う世界の住民なんだって思う。 私の隣を歩くかがみには何も違和感なんて感じなかった。むしろ他のどの女の人よりも綺麗なんじゃないかって。 こんな美人と友達で私はなんて幸せ者なんだろう。 ほんの数センチだけど高くなった横顔。頬から顎のライン。紅い唇。 「ん? どうかした、こなた」 「な、なんでもないっ」 簡単に目を奪われてしまう。どれだけ見ていたかなんて自覚できてない。 顔を見られたくなかった。赤くなってるはず。ちょっと早足になった。 カッカッ。ヒールの鳴らす音のリズムが若干速くなって追いかけて来てくれた。 別に目的とか買いたい物とかがあったわけじゃなかった。ひたすらに歩く。 半歩先を歩く背の低い男の子みたいな格好をした私。メイクしてちょっぴり香水のいい匂いを振りまくかがみ。 何やってるんだろうって思いながらでも立ち止まるわけにはいかないし。 「ちょ、ちょっとこなた」 何度目かわからない私の名前を呼ぶかがみ。それから柔らかな感触が左手に。 「もう待ちなさいよ。急ぐ理由なんてないでしょ」 「えっ、あ、うん。そうだね」 「なに。……ああ、こうしてたら迷子にならずに済むんじゃない」 繋いでいる手を掲げて見せてきた。顔がどうしようもないくらいに笑ってる。 恥ずかしかった。悔しかった。だけど嬉しいと思ってしまう自分がいた。 何も言わない私によしとしたのかかがみが歩き始める。 今朝もそうだったけどかがみの手ってあったかくて。人の体温だから大差ないとわかっているからなんかずるい。 ずっとこのままでって思いたくなるような安心感を与えてくるんだもん。 前を歩くかがみの背中を見つめながら歩いていた。 「ほらこなた、次はこれ着てみなさいよ」 かがみが満面の笑みで超の付くほどのミニスカート勧めてくる。 きわどいってレベルじゃないですよかがみさん。手に持ってるとただの布きれみたいだし。あと、顔が近いよ。 さすがに強く拒否を示したら諦めてくれて、でも次はフリフリの私には似合わないでしょってやつを持ってきて。 いったいこれで何着目なんだろう。なんていうか個人的なファッションショーになっちゃってるよね。 事の始まりはなんだったのだろう。私が引き起こしたのかもしれない。 何人もの人とすれ違ったけどかがみは全然見劣りしなくて。そんなかがみと私は手を繋いでて。 私たちはどんな風に見えるのだろう。絶対同級生に見えないよね、姉妹とか。もしかしたら母娘とか。 ふとかがみとは反対側に視線を移すと高そうな服が売っている店が並んでいる光景で。 そしてそこのショーウインドウに二人の姿が映り込んでいて。 「どこからどう見ても小学生にしか見えないよね」 「……どうしたの?」 呟いていた。足も止めてしまった。 「んー、こうして見ると私たち姉妹みたいじゃん、なんてね」 鏡みたいに綺麗に映るわけじゃないけど、並んでいる二人の女の子は身長だけじゃなく服装にも差があった。 あはは、と声にしてもそこにいる私は笑っていなかった。 「──たは──わよ」 「えっ?」 「こなたは絶対磨けば光る。いい? 今から私が証明してあげるから」 暴走機関車のごとくかがみはそのまま目の前の店に突撃していって。現在に至る。 「かがみ、私用のを選んでるんじゃなくて、着せ替え人形みたいに楽しんでるだけでしょ、絶対」 「そんなことないわよ。だいたい服を選ぶのって適当に着れればいいじゃだめなのよ。似合う服を着たらもっと自分が好きになるし、見える世界だって変えてくれるんだから」 「そ、そういうもんかな」 「そういうものなの!」 力説するかがみはかわいいなぁ。今さらだけど。 なんて思ってみてもどうやらこの着せ替えごっこはまだまだ続くらしくて。 そしてなんだかんだ言いつつもかがみに可愛いって言われると嬉しくなる自分がいるわけで。 お店に居座ること二時間近く。で、お会計がほんとうにたったの一着という結末に店員さんは呆れるしかなかったようだ。 まぁ、私も疲れたけれど、その服はかがみからのプレゼントです、となると自然と頬は緩む。 とりあえず絶対にタンスの肥やしにしないこと、と心の中で誓ったのだった。 かがみの言う可愛いと私のかがみに対するかわいいは違うんだってわかってはいる。 それにたぶん久しぶりに会ったことが気持ちを高揚させたりしているのかもしれない。呆れ顔、怒った顔ばかり昔はさせていた。 けれど今この時がすごく楽しいっていうのに嘘はつけない。どうしようもなく私はかがみが好きなんだと自覚する。 たまたま通りがかった公園。ぶらぶらしているだけだったし、多少疲れてもいたので寄ることにした。 かがみは飲み物を買いに行ってくれている。今日という一日の中で初めての一人の時間だ。 昨夜のことは覚えている。好きな人が他の誰かと結婚することになった。 心からの祝福はできなかった。でも認めないなんて言えない。その理由を言うことすら叶わない。 かがみの気遣いが嬉しかった。親友だって言ってくれて嬉しかった。今過ごしているひとときは幸せだった。 かがみが好き。伝えられない言葉。静かな公園で呟いた。どこにも響かずに消えていった。 「はい、スポーツドリンク。コーヒーとかのがよかった?」 「ううん、なんでもよかったよ。ありがと」 手渡されたペットボトル。ひんやりとした感触が気持ち良くて、頬にあてたりした。 かがみはよほど喉が渇いていたのかすぐに飲み始める。喉を鳴らしていた。 ぐっと上を向いて飲む姿が男勝りというか、少しおかしかった。左手で掴んだペットボトルの中身が一気に減っていく。 「あっ」 思わず声に出していた。左手の薬指。 「どうかした?」 「なんでもないよ、なんでも」 「そう? なんか今日のこなたは少し変ね」 誤魔化してドリンクをちびちびと飲むことにする。冷たく染み込んでくるけど冷静さを取り戻してはくれない。 もう一度盗み見た。やっぱりしていない。記憶を掘り返してみてもそれらしい何かを見せてもらってはいなかった。 だからといって、何かが変わるわけでもないじゃん。 でも、聞かずにはいられなかった。 「ね、ねぇ、かがみ」 「なに」 もう長いこと会っていなかった。メールのやり取りでも深く聞いたりしていなかった。 相手はどんな人なのか、いつから付き合っているのか。結婚式の日はいつなのかも、何も知らない。 「あのさ、こ、婚約指輪とかって、もらってないの……?」 かがみは確かに綺麗になった。優しくなった。その理由が恋人ができたからだと、信じたくなかった。 かがみの頬が赤く染まった。初めて会った時からそうだ。普段はどんなに厳しくても、ちょっとツリ目でも、感情がすぐ表に出る。そこがかがみのかわいいところ。 「え、えっとそれは、その……」 目が泳いでいる。追いかけた。目があった。 じっと見つめた。離さない。また少しかがみの顔が赤くなった気がした。 私たちの間を沈黙が支配する。ただ私は逃げるつもりはない。 「ご、ごめんなさいっ、こなた」 「えっ」 今朝のようにあたたかい何かが私を包んでくれている。 かがみが、私を抱きしめていた。 「な、なに、どうしたのかがみ」 「ごめん、本当にごめん。あれ、全部嘘だから」 状況の変化についていけない私は両手の行き場も思いつかずにいた。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 「数日前から考えていたんだけど、長いこと会っていないんだからサプライズにしなくちゃって思ってさ」 「ええと、結婚の話の前にもう一つ。もし私がいなかったらどうしたの?」 「そりゃ帰ってくるまで待つに決まってるじゃない」 「その日帰ってこなかったとしても?」 「当然よ。だってこなたの──きなんだもん」 「? で、なんで結婚するだなんて嘘ついたの。もう驚くどころじゃないし」 「そ、それは、その……」 こなたがじっとかがみを見上げていた。数分にもおよんで。 「ああ、もうっ。それ反則よ、こなた。我慢できるわけないじゃない」 「ふぇ、かがみっ?」 かがみ、こなたを力一杯抱きしめる。もう抱え上げてしまうくらいに。 こなたはただただ困惑していた。 「こなたの泣き顔が見てみたかったのよ。結婚なんてしない、付き合っている男もいない。だって私はこなたが好きだから」 「ば、かっ。かがみの、ばか……っ!」 「こ、こなた……? な、泣いて……?」 「ばかばかばかっ。かがみなんて、かがみなんて、だいっきらいだ」 「ごめん、こなた。私素直じゃなさすぎたわ。もう一度言うから、聞いてくれないかしら」 「うん」 「こなた。私ね、こなたのことが好きよ」 「っ、かがみぃ……」 こなたの行き場を失っていた両手は自然とかがみの背中に回されて。 二人のなかに身長差などは関係なかったのだ。 コメントフォーム 名前 コメント GJ!!(≧∀≦)b ったく、驚かせやがってw...うぅ、なんで涙止まんねぇんだよ... -- 名無しさん (2023-08-07 00 36 51) ご都合ではあるけど、やっぱこなたはかがみの嫁だよな 悲恋もいいけどハッピーエンドが一番! -- なこ太 (2010-10-03 15 38 00) ハッピーエンドでよかったぁ -- 名無しさん (2010-08-21 16 51 38) よかった…かがみに彼氏はいなんだ…。 前作だけでも存分に良い作品だけどね。 -- こなタックル (2010-06-30 09 28 54) かがみったらやってくれますねwww 何はともあれこなたが救われてホッとしてます。 前作からの作者様のコメント拝見しました。 多くの葛藤があったと思います、作品を読ませて頂いてる身で偉そうな事は言えませんが、 御自身が納得される作品をお書きになれば良いのではないでしょうか? 私個人的にはあなたの作品はどれも大好きです、いつも新作を心待ちにしてます。 これからも応援する気持ちと共に、GJ!!をおくらせてもらいます。 -- kk (2010-06-29 22 26 41) 前作にて、かがみの事がすごく好きなんだけどもうどうにも ならず、とてもつらいこなたの心情がすごく表されていた ので、今回救われる内容で正直ホッとしました。 GJです。 あと関係ないですが、私的にはタイトル名 『ごめん、なかったことにして』 でも良いような気がしました。 …はい、完全に蛇足ですね。失礼しました。 -- 名無しさん (2010-06-29 20 35 30) いつの間にか続編出ていたんですね ハッピーエンドで本当に良かったとしか言い様がありません…、素晴らしい!! -- 名無し (2010-06-29 20 26 25) happyendで良かったです… ほんとにかがみんてばツンデレなんだから… 下手なサプライズよりも大事なものを強引に奪い取る覚悟を決め立って下さい -- こなかがは正義ッ! (2010-06-29 12 31 37) よかった… ホントによかった!! -- 名無しさん (2010-06-29 08 00 09) 『終わりも〜』は過ぎる時間の無情さが好きでした。 ちょうどリアルで離婚した後に読んだので、かがみが結婚を告白するシーンには、強く心を掴まれました。 だから、余計こなたには好きな人が居なくなる辛さは味わって欲しくないな……なーんて考えてましたよw なので、『小さな〜』を読んで気持ちが楽になりました☆ こなたとかがみの時間が始まってくれて、ほんとに良かった。 もう後悔するような選択はするなよ!こなた☆ っと言ってやりたいw 作者様、GJでした! -- ♪ (2010-06-29 00 15 43) 投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください)
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道を歩いていたら茂みから体高30cmほどの変なものが飛び出してきた。 「「ゆっくりしていってね!」」 姿を現したのはゆっくりと呼ばれている下膨れの顔饅頭が2匹。 一方は赤いリボンを頭にのっけた黒髪で、もう一方は黒いとんがり帽子と長い金髪が特徴的なゆっくりだった。 どちらも見ているだけで妙にイライラさせられる笑みを浮かべている。 「「ゆっくりしていってね!」」 聞くところによると、こいつらの仲間はこの言葉を聞くと同じように「ゆっくりしていってね!」と返すらしい。 突然の状況に呆然として、その返事をしなかった俺の態度を無視しているものと勘違いした2匹は再びその言葉を口にする。 今度はさっきのような純然たる笑顔ではなく、少し目元がつりあがっていてどこか怒っているようにも見える表情で。 ぴょんぴょんと意味も無く跳躍を繰り返しながら、何度も「ゆっくりしてい」ってね!」を連呼している。 「ゆっくり・・・ゆぎゅ!?」 あまりに鬱陶しいので思わずより近くにいた赤いリボンを付けた方を軽く蹴り飛ばしてしまった。 蹴られたゆっくりは4mほど吹っ飛ばされ、4mほどバウンドし、更に4mほど転がって計12mほど向こうまで飛んでいく。 思った以上に軽く、弾力があり、転がりやすいその体ならではの飛距離だろう。これは面白い。 「ゆううう!ゆっぐぢーーー!ゆっぐぢでぎないよおおおお!」 「ゆーっ!まりさのれいむになにするのー!?」 なるほど、黒髪のほうはれいむで、金髪のほうはまりさと言うらしい。 れいむは蹴られた痛みのせいか身動き一つとれずに泣きじゃくっている。 一方のまりさは俺の前に立ちはだかると空気を思いっきり吸い込んでぷくぅっと頬を膨らませた。 そうやって威嚇しているつもりらしいが人間相手には何の意味も無い。 まりさの前にしゃがみこむと右手で頬に平手打ちを食らわせ、即座に反対側の頬にも平手打ちを食らわす。 「ゆうううううう、ゆぎぃ!・・・ゆぎゅ!・・・ゆぎゃ!・・・ゆげぇ!」 俺が手を振るたびにまりさの膨らんだ頬に挟まれた口から呻き声と空気が漏れ出していく。 右!左!右!左!右!左!右!左!右!左!右!左! 右!左!右!左!右!左!右!左!右!左!右!左! 右!左!右!左!右!左!右!左!右!左!右!左! 何度も何度も平手打ちを繰り返し、掌が痛くなってきたところで手を止めた。 「ゆ、ゆ・・・ゆびぃ・・・」 「や、やめてえええええ!でいぶのまりさをいぢめないでえええええええ!」 頬は腫れ上がり、顔中青だか赤だかわからない色に染まり、白目をむいて泡を吹くまりさは一目でわかるほどに満身創痍。 やりすぎたか、と少し後悔していると今度はようやく痛みから立ち直ったれいむがまりさを守るべく声を上げてこちらへやってくる。 ぽよん、ぽよん・・・と1m進むのに5秒はかかる信じられないほどの鈍足で吹っ飛ばされたわずか12mの距離を1分かけて戻ってきた。 そうして、ようやくまりさの前に立ちはだかったれいむは荒い呼吸を整える暇もなく俺に体当たりを仕掛けてきた。 「ゆーっ!ゆんっ!ゆゆーっ!」 顔を真っ赤にして自分の大事な仲間を傷つけた俺に何度も何度もぶつかって来る。 弾かれても弾かれても起き上がってはキッと俺を睨みつけて体当たりを繰り返すその姿は実に果敢だ。 しかし悲しいかな俺に全く効いていない。 それでもれいむはぶつかっては弾かれ、起き上がってはまたぶつかるを繰り返し続ける。 その目にはうっすらと涙がにじんでいて痛みを必死に堪えていることが伺える。 なんだか気の毒になってきた俺は何度目かの体当たりを仕掛けてきた際につま先で引っ掛けるように蹴り上げてやった。 「ゆゆっ!た、たかいよーっ!?」 突然の浮遊感に驚いたれいむは下を見た瞬間に、自分が空高く舞っていることを理解した。 その高度約4m。同時にその高さから落下すれば相当痛いこと理解し、恐怖のあまりに悲鳴を上げる。 「ゆびぇえええええええええええええ!!?」 そうして最高到達点に達したれいむは、徐々に地面めがけて落下していく。 やがてやってくる痛みに備えて目をきつく閉じ、身を小さくしている彼女の体を小刻みに震えている。 「ゆううううう・・・ゆぅ?」 しかしいつまで経っても痛みはやってこなかった。 そのことに疑問を感じたれいむが恐る恐る目を開けると、そこには俺の顔。 流石にこれは死ぬかもしれないと思った俺は落下する前こいつを受け止めたのだ。 ようやくその事を理解したれいむが満面の笑みを浮かべた瞬間、思わず彼女を放り投げた。 「ゆうううううううううううううううううううううううううううう!!?」 ただし、あくまで低空で、バウンドと転がった分によって移動距離を稼ぐようなそんな投げ方。 れいむは俺の狙い通り、あまり舗装されていない地面をごろごろと転がっていった。 「ゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ・・・」 「れいむうううううううううううううう!?」 遥か彼方、と言っても50mほどなのだが、まで転がっていったれいむの名を叫ぶのは頬の痛みから立ち直ったまりさ。 散々一方的に酷い目に合わされ、どんな抵抗も無意味だと理解したまりさは攻撃を仕掛けてくることも威嚇することもしない。 ただ、目から大粒の涙をぼろぼろと零し、きゅっと結んだ口からは嗚咽が漏れている。 「ゆっく・・・まりさたちなにもぢでないよ・・・もうやべでよ、ゆっくぢさせでよぉ・・・」 その声がどんどん涙声になってゆき、やがて泣き声になる。 体裁も見栄も何もかもかなぐり捨てて、まりさはただひたすら大声で泣きじゃくる。 そうすることで「お願いだからゆっくりさせて」と必死に訴え続けていた。 「ゆわあああああああん!ゆうううううううううん!ゆっぐ・・・ゆぅ・・・」 それだけしか出来ない彼女のその姿のなんと弱々しいこと。 何の意味も無く自分達を痛めつけた悪党相手にただ泣きじゃくって許しを請うとしか出来ない。 哀れんでもらって、それから見逃してもらう・・・それだけが唯一の生き残る道なのだ。 「ゆえええええええええええええん!ゆああああああああああん!ゆぎぃ・・・ゆぐぅ・・・」 正直、その泣き声が鬱陶しくなってきた俺は大きく開いた口に足を突っ込むと舌と下あごを力任せに踏みつける。 必死の命乞いを無視されたまりさは恐怖と絶望と苦痛と不快感で白目を剥き、ほぼ塞がれた口で必死に何かを喋っている。 それが恐らく相も変わらずの命乞いであることは容易に想像がつくが、それに従うくらいなら最初から何もしない。 まりさの懇願を完全に無視して口内をひとしきり蹂躙しつくしたところで、俺はまりさをれいむめがけて蹴り飛ばし、2匹を解放してやった。 「まりさああああああ・・・!」 「れ、れいむううううう・・・!」 涙を流しながら頬をすり寄せ合って、互いの無事を喜ぶ2匹。 しかし、俺がゆっくりと2匹のほうに歩いてくることに気づくと、必死の形相で茂みの奥へと逃げていった。 「もうやだ!おうちかえる!」 「ゆ、ゆっくいかえるよ!」 もうこれ以上虐めるつもりは無かったのだが、その言葉を聞いた瞬間に食指が動いてしまった。 あいつらの家とはどんなものなのだろうか?他にも仲間がいるのだろうか? そんな好奇心に駆り立てられて、非常に緩慢な動きで近くの森へと向かうれいむとまりさのあとを追いかけることにした。 「ゆっくりかえったよ!」 「「「「おきゃーしゃん、ゆっくりちちぇっちぇね!」」」」 「「ゆっくりしていってね!」」 結論から言えば、この家族は群れなどに属していないようだった。 その代わり、愛らしい子どもが4匹もいるようだ。内訳はれいむ種もまりさ種も2匹ずつ。 れいむ達の巣は彼女達の体格同様に小さくて、人間の俺では中に入れそうに無い。 お菓子の一つもあれば簡単におびき出すことが出来そうだが、今は何も持ち合わせていないので諦めることにした。 「しかし・・・ゆっくり虐めか・・・」 新しい楽しみを見つけた俺は足取り軽くスキップをしながら来た道を引き返した。 ‐‐‐あとがき‐‐‐ シンプルさを重視したので子ども達への虐待はなし。 ストレスで寿命がマッハだぜ、と言う方は脳内でどうぞ。 byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
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ゆっくりいじめ系1969 ゆっくりした教育?の一部です。 読んでないとまったく分かりません。 青年の家から連れてこられた子れいむはまりさ達の群れに到着した。 今日は新しく自分たちの仲間となった子れいむの歓迎会だ。 大人たちががんばって大量のご馳走を用意した。 「さ、れいむ!いっぱいたべてね!」 しかし促されたれいむは一切反応しない。 「ゆ?どうしたのれいむ?」 「なにこれ?こんなごみよりはやくあまあまなごはんをよういしてね!しゅーくりーむでいいよ!」 事実そこにあるのは虫や生ごみなのだ。 しかしそれは野生のゆっくりにとってはご馳走である。 このれいむは青年によって甘やかされて育った。 最初の一週間ほどは贅沢な生活に満足していた。 しかしご飯も毎日同じものですぐに飽きたて美味しくなくなったし青年もまるで遊んでくれない。 こんな家よりもまりさおねえさんの家のほうがゆっくりできる。 子れいむの頭ではこうなっていた。 「なにいってるの!?これがごはんだよ!ほら。」 ぱくぱくとご飯を平らげていくまりさ。 「…みててきぶんがわるくなったよ。ねむりたいからべっどをよういしてね!」 「ゆ…。」 そんなれいむの反応にめげず寝床へ連れて行く。 しかしそこでもれいむはわがままに文句を言う。 「こんなところじゃねむれないよ!ちゃんとふかふかなべっどをよういしてね!」 青年の家の家では彼が用意したふかふかのベッドで眠っていた。 ただの洞窟に藁ですらない枯れ草を敷いただけのベッドでは満足できるはずも無い。 「それにむしさんのこえがうるさくてねむれないよ!ゆっくりしないではやくなんとかしてね!」 確かに虫の声はしているが野外なのだから当然だ。 しかし青年の家で暮らしていたれいむにはそれが分からない。 結局この日はれいむのわがままを聞いているだけで終わった。 ちなみにれいむは眠れない眠れないと言いながら日が落ちると勝手に寝ていた。 翌日朝早く大人たちが狩の準備をしていた。 「ゆっくりおはよう!」 あのれいむが目を覚ました。 大人子供問わず渋い顔をするものが多い。 このれいむの昨日の有様を見ているのだから当然だ。 「れいむはたいくつだよ!あそびたいからおもちゃもってきてね!それとおなかすいたからあまあまもってきてね!」 「ごはんはちょっとまってね、おもちゃはないけどそとのみんなとあそんでね。」 まりさがれいむに根気強くそう諭す。 しかしれいむはそんな言葉に一切耳を傾けようとしない。 青年の家では少なくとも相手に聞こえた願いはすべて叶えて貰えたのだ。 「おもちゃもないの?ばかなの?しぬの?あんなきたないゆっくりたちとあそんでたのしくないよ!」 大人たちの中には目に見えてイライラしている者も多い。 わずか一晩でこのれいむは群れの大人すべてを敵に回していた。 何とかれいむをなだめすかし狩に出かけたがその間にれいむは自分より小さいゆっくり達をおもちゃにして遊んでいる所を大人に止められた。 それを注意されても。 「おもちゃをもってこないまりさたちがわるいいんだよ!ゆっくりりかいしてね!」 と言って取り合わない。 食事の時間になっても、 「まずいけどおなかすいたからしょうがなくたべるよ!むーしゅ!むーしゃ!げろまず!」 そんなことを言いながら大人三匹分はご飯を食べた。 睡眠時間でも、 「やっぱりむしさんがうるさいよ!まりさはむのうだね!さっさとなんとかしてね!」 そんなわがままばかり言うれいむに群れのゆっくり達は完全にあきれ返っていた。 そしてついに数日後、 「こんなところじゃゆっくりできないよ!おかあさんのところのほうがゆっくりできたよ!」 ついにれいむも我慢の限界を迎えた。 何を我慢したのかと思うかもしれないがれいむにとっては我慢の連続だったのだ。 ついには青年の家のほうがよかったと言い出す始末。 それは事実なのだが勝負に勝ったと思っている群れの者たちにとっては禁句だった。 「いいかげんにしてね、れいむ!そんなにおにいさんのところがいいならおにいさんのところにかえってね!」 まりさがもっともなことを言う。 周りのゆっくり達もいい加減このれいむに付き合うのは限界を迎えていたため口を差し込む者は少しもいない。 「それじゃあれいむたちはおかあさんのところへかえるよ!むのうなまりさたちはゆっくりしね!」 一瞬ほっとしたがまりさだが違和感に気づく。 れいむ…達? 「まりしゃもれいみゅのおきゃーしゃんのときょろへいきゅよ!」 「れいむもだよ!れいむおねえさんのいうとおりここじゃゆっくりできないよ!」 「ありしゅもだよ!」 子供達の一部が口々にそう言い始めたのだ。 教育前の赤ゆっくりや、あまり教育に身を入れていないプチゲス達が大半だ。 実はれいむは同年代か年下のゆっくり達を集めていかに青年の家がすばらしかったかを話したのだ。 「「「「「「「「どおじでぞんなごどいうのおおおおおおお!!!!!」」」」」」」」 そんなことを知らない大人たちは悲しみにくれる。 あれほど自分達が苦労して人間達から救ったのに。 しかしそんな彼女達にかけられるのは冷たい言葉だ。 「まりさたちがにんげんさんよりゆっくりさせてくれるっていうからここにきたんだよ!にんげんさんのほうがゆっくりさせてくれるなんて!まりさのうそつき!」 「ありしゅのしぇいでゆっきゅりできにゃいよ!」 「れいむのせいでおかあさんからはなれたんだよ!もんくあるならもっとゆっくりさせてね!」 この子ゆっくり、赤ゆっくり達も人間に飼われそうになっていた所をれいむと同じような台詞でここにつれてこられた者たちだ。 「ゆっくりさせてくれるから」という理由できたためそれ以上にゆっくりできる場所があるならばここにとどまる理由は無い。 そして大人たちが止めるにもかかわらず子ゆっくり達は半数近くが人里へ降りていってしまった。 あの後れいむの主張に感化されてしまったかなりの数の子ゆっくりが彼女達に合流したためだ。 「ゆううううう…。」 これまでの苦労を思い泣くまりさ。 いったいこれまでの自分達の苦労は何だったのだろうか? 「なかないでまりさ。せめてにんげんさんとゆっくりできるようにいのりましょう。」 そうありすが慰めてくれるが野良のゆっくりがそうそう良い人間に飼われることなど無いことをまりさは知っている。 仮に良い飼い主に出会えたとしても、どれだけいい子にしていても、突然理不尽な理由で捨てられてしまうこともある。 なにせ自分達がそうだったのだから。 まりさ達は悲嘆にくれているがこの事件はゲス予備軍を淘汰できた意味でこの群れにとっては利益をもたらしていた。 しかし「人間よりもゆっくりと一緒の方がゆっくりできる」という群れのアイデンティティーをも破壊してしまった。 彼女達は悲しみながらもこれからも活動を続けていくだろう。 しかしこれまで通りの活動ができるはずは無かった。 「おかあさんのところへいったらあまあまいっぱいたべようね!」 「ありしゅはときゃいはだきゃらきっとにんげんしゃんもやさしくしちぇくりぇるわ!」 「まりさはれいむがいっていたおもちゃがほしいよ!」 もはや寝言の領域に入った子ゆっくり達の妄想は止まらない。 飼い主に捨てられたという境遇こそ大人達と同じものの彼女達は致命的に大人たちとは違う所があった。 れいむ以外は直接人間に会ったことがないのだ。 会ったことがある子ゆっくりは群れに残った。 れいむも知っているのは青年のみ、それもその一面のみである。 ゆえに彼女達が人間に対して大人ほど恐怖を感じないのは必然だった。 無知―――それは霊長たる生物意外が許されるものでは無い。 「なんだぁ?ちびなゆっくりがうじゃうじゃと。」 子ゆっくり達の集団を最初に発見したのは大人達の群れ住んでいる山の持ち主の男だ。 ゆっくりが住み着いていたのは知っていた。 しかし彼女たちの主張を盗み聞きしある種の感動を覚えた男は山にゆっくり達が住み着くことを黙認したのだった。 「ゆ!にんげんさん!れいむにあまあまもってきてね!それとおかあさんのとこへつれてかえってね!」 「ゆっきゅりしにゃいではきゅしちぇね!」 「おもちゃがほしいよ!もってきてね!」 ゆーゆーと男に要求する子ゆっくり達。 教育した大人たちが見たらたいそう嘆くだろう。 赤ゆっくりだけでなく子ゆっくり達まで馬鹿なことを言う。 男はため息をつく。 山から下りてきたように見えたからあの群れの連中かとも思ったがどうやら違うようだ。 群れの子ゆっくりとは何度か会ったことがあるがもっと素直でかわいかった。 実際は教育がすんでいない子ゆっくりは山から出されないため男は群れのゆっくりはいい子ばかりと勘違いをしていた。 「おまえら、少しそこで待ってろ。望みのものは用意してやる。」 「はやくしてね!れいむはおなかすいてるんだよ!」 他の子ゆっくり達も口々に遅い遅いと文句を言う れいむに影響されてこの集団の子ゆっくりたちは早くもゲス化が始まっていた。 「さてと、加工所加工所っと。」 男は携帯電話で加工所への連絡を入れた。 「たすけてれいむ、わふ!!!」 「ありしゅはときゃいはなのよ!ていちょうにあちゅかいなしゃぶふっ!!!!」 「どおじでだずげでぐれげぶ!!!」 次々と加工所の職員に捕らえられていく子ゆっくり達。 「どおじでごんなごどずるのおおおおおおお!!!!!」 一匹の子ゆっくりが叫ぶ。 加工所職員はいつものことなので無視して淡々と作業をするのみ。 代わりに男が説明する。 「彼らは加工所の職員だからだよ。」 「ゆ!かこうじょはゆっくりできないよっておふっ!」 どうやら加工所を知っているらしい野良のネットワークも侮れないものだと男が思っているとあっという間に残りは子れいむ一匹になっていた。 「こいつがリーダー格みたいだな。」 「子ゆっくりや赤ゆっくりばかりなのは珍しいな、親だけ殺されたりしたのかな?」 さすがにこのような事例は加工所の歴史でもかなり少ない。 「はなじでえええええええ!!!!!!れいむおかーさんのところにかえるうううううう!!!!」 「あー、はいはい。」 れいむが青年の言いつけ通りおにいさんと叫んでいれば状況は変わったかもしれない。 しかしそれはすべて後の祭りである。 彼女達は加工所でその短い生涯を終えるだろう。 ぱちゅりーに赤っ恥をかかせて以降、無知だの何だのと言うことは無くなった。 文字を少し教えてやり子供用の平仮名ばかりの本を与えるとうれしそうに読んでいる。 ちなみに俺が三日でいいと言ったのはその間にぱちゅりーを口説き落とす自信があったからだ。 今思うととんでもない自惚れである、我ながらおお愚か愚か。 まりさが温情で一週間にしてくれなかったらぱちゅりーとはお別れだっただろう。 で、一週間ほどして約束の半月の日にいつもの場所へ行ったのだがあいつらは結局来なかった。 れいむは別にどうでもいいのだがあいつを放り込まれた群れがどうなったのかは少し興味があったのだが。 それっきりれいむのことは忘れてしまった。 夜、子ゆっくりばかりの群れが現れたなんていうニュースを聞いても俺にはまったく関係の無い事だった。 修正してアップロードし直そうかと思いましたがストレスがマッハなので別作品にしました。 過去書いたもの 奇跡のゆっくりプレイス 醜い男 生きるための選択 体つきゆっくり愛好家 ありすの戦い 黒歴史 ぱちゅりーの教育 ゆっくりした教育 byデストラクション小杉